2025年現在、ボートレース界で「チルト3」と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、かつての「阿波勝哉」選手、そして今やそのスタイルを継ぐ存在「菅章哉（すが・ふみや）」選手です。
豪快なまくりを武器に観客を魅了し、「ガースー砲」で知られるチルト3走法。舟券的な観点から見ると、どのような評価になるのでしょうか？
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チルト3とは？菅章哉選手の特徴とレーススタイルを解説
「チルト3」とは、モーターの角度を最大+3.0度に跳ね上げるセッティングです。通常よりも伸び重視になり、スリットからの加速が段違いに向上します。
スタートから一気に「まくり」を決める菅章哉選手の豪快なレーススタイルは、多くの競艇ファンから絶大な人気を集めています。
ただし、このセッティングはターンの安定性を犠牲にするリスクがあるため、扱いが非常に難しくなり、「ターンしづらい」「出足が悪い」「ピット離れが悪い」といったデメリットがあります。
競艇におけるチルトの詳細については、以下の記事で詳しく解説しています。
「菅章哉」選手はそのチルト3を駆使して数々の名勝負を生んできました。特に印象的なレースは、2021年に開催された「GⅠ大渦大賞開設68周年記念競走」です。
上記の動画では「チルト3.0度」に設定している「菅章哉」選手と、スローに動いた「峰竜太」選手のデッドヒートを見ることができます。
4号艇の菅選手が大外からスタートを決め、内側の艇をまくって抜け出します。ただし、道中のターンは難しそうで、一度は峰選手に抜かれる場面もありました。
菅章哉プロフィール・経歴
ボートレース若松
【ＳＧ第７１回メモリアル】５日目📔永久保存版「菅章哉の取り扱い説明書」📔
３Ｒを５コースまくりで制した菅選手がチルト３度時の取り扱い説明書？を教えてくれました。… pic.twitter.com/jAv0p6knOl
— スポーツ報知 ボートレース担当 (@hochi_boatrace) August 30, 2025
| 生年月日 | 1988年7月2日 |
|---|---|
| 登録番号 | 4571 |
| 支部 | 徳島支部 |
| 出身 | 徳島県 |
| デビュー | 2009年（鳴門） |
菅章哉選手は、アウトコースからの豪快なまくりを武器に、チルト3度での一撃勝負を得意とする「伸び型レーサー」です。
2025年ではG1制覇も果たし、イン逃げでの優勝も重ねるなど、チルト3だけに頼らない自在なレース運びでSGレースにも出場しています。
チルト3は勝負所で使う切り札？菅章哉の出走傾向
過去にはアウト屋だった時期もありますが、菅章哉選手がチルト3で出走するのは、すべてのレースというわけではありません。
普段は“伸び寄りセッティング”が基本であり、最近では「ここぞ！」という場面やファンの期待が集まるレースで、「チルト3」という“切り札”を使う傾向があります。
特にSGなど注目度の高いシリーズは、ファンの期待に応えて「チルト3」で出場することが多いです。
また、菅選手がリスペクトする、常に6コースの「チルト3」を選択してきたアウト屋・阿波勝哉選手も2025年9月から「全コースで走る」ことを宣言しており、従来のアウト屋スタイルを封印しました。
その背景には現在のボートレース界では「チルト3」に大きなデメリットがあることは間違いありません。「フライング」の罰則規定が厳しくなり、「アウト屋」を引退した阿波選手の詳細は以下の記事で解説しています。
チルト3の舟券価値とは？菅章哉のデータから買い方を検証
菅章哉選手のチルト3は、その迫力あるまくりスタイルと高い注目度から、ファンの期待が集中しやすい傾向にあります。
そのため、舟券勝負では過剰に人気が先行するケースが多く、オッズが極端に低くなる傾向があります。
以下は、2024年3月21日に三国競艇場で行われた一般戦において、菅章哉選手が「チルト3」で出場したレース映像です。
- 2R：4コース「2着」 → 3連単12,410円
- 8R：6コース「1着」 → 3連単3,500円
1着になると人気を背負いすぎて配当妙味が薄くなり、逆に2着や3着に入った場合の方が高配当につながる可能性が高いことが分かります。
「菅章哉」選手の6コースの1着率は「10.9％」、3連対率は「34.9％」です。一方、「峰竜太」選手の6コースの1着率は「8.2％」、3連対率は「48.7％」です。
菅選手の6コースからの1着率は他の選手に比べると高いですが、毎回1着で舟券勝負できる確率ではありません。
データ出典：艇国DB
舟券攻略の点から考えると、菅選手の「チルト3」は1着よりも2着・3着付けで狙う、もしくは思い切って“外して考える”戦略が有効だと言えるでしょう。
まとめ
菅章哉選手のチルト3はインパクト抜群ですが、過剰人気でオッズが低くなりがちです。
1着狙いでは妙味に欠けるケースも多く、舟券勝負をする上ではあえて“外す”という選択も有効です。
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